★ 秋を見つけた ★
車 山から霧ヶ峰の高原で6月の中頃から咲き始めた真っ赤なレンゲツツジは、7月になると黄色いニッコウキスゲに草原の主役の座を渡します。8月にはマツムシ ソウにバトンタッチし、薄紫の花が私達の目を楽しませてくれるようになります。ところが今年は草花の生長や開花が、花によっては遅くなったり早くなったり 不順な気候に惑わされているようでした。
昨年に続き梅雨明けが遅くなり、夏の空が見られるようになったのは8月になってからでした。それからは全国的に記録的な猛暑日が続き、白樺湖でも古くか らの住民の間でも「こんな暑い夏はなかった」という声が聞かれるほどです。昨年は白樺湖西方の車山に日が沈むとぐんぐん気温は下がり、夜8時頃には窓を閉 めていたのですが、今年は夜半過ぎまで熱気が残る日もあって遅くまで網戸にしていても寒くありませんでした。
よ うやく訪れた夏もお盆を過ぎた20日頃からはセミしぐれに代わって虫の演奏会が始まり、野鳥の姿がめっきり減り、見上げるとトンボが天高く舞い飛び、さら に上の青空にはうろこ雲やすじ雲が描かれているのに気がついて、秋の訪れを知りました。そして3週間にも満たない高原の夏はいろいろな想い出を残して過ぎ 去ったのです。
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★ 取り戻したい信頼 ★
夏のシーズンでも暇なペンションがあります。某日そのペンション湖風に観光案内所からお客さんの紹介電話が掛かってきたのです。が、それは夕方のことで、新 鮮な食材をそれから買いに行っていては夕食に間に合いませんのでお断りすることに。すると朝食だけの宿泊でいいからと再度電話があり、間もなく中年のご婦 人がフロントに見えて宿泊申込となったのです。そのファミリーはそのまま近くの遊園地へと出かけました。それから大忙し。プーママは朝食の食材を町まで買 い物に、私は部屋の掃除やお茶の用意と部屋の準備に走り回ることになったのです。そこで再び“が、”です。赤々と照明をつけてそのファミリーのお帰りを 待ったのですが、夜の8時が過ぎ、9時が過ぎ、さらに10時を過ぎても連絡の無いまま帰ってきません。結局11時には『もう帰ってこないだろう』と二人で 相談し、施錠して受け入れ態勢を解除したのです。
この出来事で今の日本社会の問題にするのは飛躍でしょうが、次々起こる残忍な事件や詐欺事件、政治家の不祥事などに共通するのは「命よりお金が大事」とす る生き方が垣間見え、人と人との信頼関係を大切にする考えはどこかに忘れ去ってしまったようです。サミュエル・ウルマンは「人は信念とともに若く、疑惑と ともに老ゆる。希望ある限り若く、失望とともに朽ちる」と詩に残していますが、信頼関係が成り立たない世の中では希望を持って生きられません。人間社会に 信頼を取り戻し、信念と希望を持って生きられる平和な世の中にしなければならないと改めて考えさせられる体験でした。
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★ キャットフード考 ★
ペンション湖風のプライベートエリアには「ニャン」という猫が気ままに暮らしています。普段はドライキャットフードで満足しているのですが、体調を崩すことがあると、つい同情心を起こしてしまい、缶詰のキャットフードを与えることがあります。
先日スーパーで買い物をしていると、私が子供の頃食べて久しく忘れていたまぐろフレークの缶詰を見かけたのです。しかも1缶98円です。懐かしさと安さ に惹かれて買って帰りました。数日後、まぐろフレークは昼の食卓に乗ったのですが、何とその臭いを嗅ぎつけて飛んできたのはニャンです。そういえば、私が 箸でつまもうとしているのは缶詰のキャットフードそっくりではありませんか。余りにも欲しがるニャンと分けて食べることになったのですが、片や1缶80グ ラム70円から100円するキャットフードと、私が食べる1缶165グラム98円のマグロフレークの存在に、地球上には食糧不足に苦しむ人々が居るという事実も加わり理不尽な思いがよぎりました。ひょっとしたらキャットフードの方がおいしいかも。
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★ 虫に見習うべきか ★
“落し文”といえば、広辞苑には『公然といえないことを記してわざと道路などに落としておく文書。』とあります。もうひとつ『オトシブミ科の甲虫の総称。ま た、ナミオトシブミの通称。体長は3〜10ミリメートル。頭部が細長い。夏、広葉樹の葉を丸めた中に産卵して地上に落とす。これを「ほととぎすの落文」 「落文の揺籃 (ようらん)」という。中の幼虫は、内面を食べて育つ。』とあり、意中の人に読んでもらわんが為にその人が通るであろう道に落とす恋文にたとえた名を持つ虫がいるのです。
湖風の裏の森には、7月になると落文の揺籃(=ゆりかご)が次々と落ちてきます。森には白樺やコナラ、ミズナラなどの広葉樹があり、その葉がオトシブミの 幼虫の“ゆりかご”になっているのです。中でも小さめの白樺の葉を使ったのが多いのですが、単に葉を丸めてあるのではなく、巻いた手紙のような筒状になる ように折りたたんであり、長さ15ミリメートル前後のゆりかごの中にオトシブミは産卵し、ふ化した幼虫はその葉を食べて成長するわけです。ゆりかご作りは オトシブミの遺伝子に組み込まれた能力なんでしょうが、葉先から折りたたみながら丸めて筒状にする技を真似て挑戦してみましたけれど、不器用な私の指先の 及ぶところではありませんでした。
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★ 夏の夜の楽しみ ★
晩夏の夜、近くにあるペンション別館のコンサートホールでジャズとブラジル音楽デュオ“ Farra” のライブがありピアノとヴァイオリンの調べに包まれて幸せなひとときを過ごしてきました。Farraはポルトガル語で「自由に」「無礼講」の意味でファハ と読みます。4歳からピアノをはじめたという鈴木厚志さんと同じく4歳からヴァイオリンをはじめた森 里子さんの息はぴったり合って、旧家の太い柱を使っ たコンサートホールに心地よい響きが広がっていました。全国各地でのライブ活動とともに老人施設などでのボランティア活動も行い音楽療法にも役立っている そうです。
お二人のホームページは 鈴木厚志 http://atuxi.com 森 里子 http://moririco.com です。
諏 訪地方の夏は花火で始まり花火で終わります。白樺湖の花火大会は8月10日、諏訪湖のサマーナイトファイアーフェスティバルは7月28日から9月2日まで 毎夜、8月15日の諏訪湖祭湖上花火大会は最大級。私達は夏の終わりを告げる9月1日の新作花火大会に行って、どら猫顔の花火など花火師の力作を楽しんで きました。
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